失敗しないマンション内覧会・第1回

内覧会担当 西本公洋

マンション内覧会では何が重要か?

西本公洋

新築マンションの内覧会など何度も経験される方は少なく、初めて臨むという方が多いのではないでしょうか。 知識がないまま販売会社、施工会社の説明を一方的に聞いてお部屋を漠然と見て終わるのと、内覧会の流れと見るべきポイントを知った上で臨むのとでは結果に大きな違いが出ます。

内覧会では何が重要か、見るべきポイントをご説明します。

マンション内覧会にはいくつか確認すべきこと、目的があります。

  1. 住戸部分のインテリア色、オプション品などの仕様確認
  2. 設備の取り扱い説明(インターホン、浄水器、ディスポーザー、給湯器、24時間換気など)
  3. 住戸部分のお客様検査。建具やサッシなどの動作確認、設備の確認、傷汚れの確認
  4. カタログや図面からの変更点確認
  5. 共有部分の見学、説明(駐車場、インターホン、ゴミ置き場、郵便・宅配BOXなど)
  6. 引渡しまでに必要な手続き、書類の確認。

結論から言うとこの中で一番重要なのは3、住戸部分のお客様検査になります。 それ以外1、2、4、5、6はほとんどが販売会社からの一方的な説明です。

不明点は積極的に質問して理解を深めて欲しいですが、万一この日に聞き逃したり忘れたりしても後で確認すればすむ話がほとんどです。設備の取り扱いとかは結局住んでみて使いながら覚えるのではないでしょうか。

しかし3の住戸部分のお客様検査はここで不具合を見逃すと入居後気付いて指摘しても直してもらえないことがあるのです。

もちろん販売会社には瑕疵担保責任があり多くの場合引き渡し後、入居後も保証期間の範囲で対応してくれます。しかし例えば床、壁、建具に付いた傷などは引越し業者が入ったとたんどちらが付けた傷や汚れかわからなくなるためほとんどの場合、補償対象外の免責事項となっています。ですから住戸の検査がこの日にやらなければいけない最も重要な作業というわけです。

重要であるにもかかわらず担当者は1、2の仕様確認や取扱い説明は自分たちの責任であり熱心にやってくれますが、3の不具合の確認はここからは自由に見て下さいと言い、お客様から指摘があれば記録するという受け身になるので、多くの場合取り扱い説明を受けただけで全部見た気になって直すべき不具合は特になしという結果に終わることが多いのです。また次の共有部分の説明があるからと時間を区切ってせかされることもあります。

見逃してもクロスの汚れなど軽微なものが数ヵ所であれば問題はありませんが実態はそうではありません。マンションによってバラツキはありますが少なくても10~20、多いマンションは指摘事項が100を超えることもあります。

この連載ではその一番重要なお客様検査で直してもらうべき不具合にはどんなものがあるのか実際の事例を中心に専門家でなくても分かるように具体的に説明していきたいと思います。